カロヤンって効くの?発毛効果をガチ検証!

カロヤンという発毛促進剤を聞いたことがありますか?

AGA(薄毛)治療に取り組まれている方の中には、ご存知の方も多いかと思います。
カロヤンの有効成分はカルプロニウム塩化物です。

しかしこのカルプロニウム塩化物、有用性は現段階では十分に証明されていないことをご存知でしたか?!

今回はカロヤンが本当に効果があるのか徹底検証していきます。

 

カロヤン

カロヤンとは?

カロヤンとは、第一三共ヘルスケアから販売されている発毛促進剤、薬用シャンプー、育毛剤のブランドです。様々な種類の商品がカロヤンという名前を呈して販売されています*1。

カロヤンの製品のうち、発毛促進剤として売られているのは、

カロヤン プログレシリーズや
NF カロヤンガッシュ、
NF カロヤンアポジカ、
カロヤンSといったものです。

これらはカロヤンの他の薬用シャンプーや育毛剤と違って、医薬品の一種です。そのため、男性型脱毛症(AGA)の方が利用するべきなのは、カロヤンの発毛促進剤です。

カロヤンの発毛促進効果は?

カロヤンの発毛促進の有効成分はカルプロニウム塩化物というものです。
しかし、カルプロニウム塩化物による治療効果は現段階では十分には実証されていません。

これは日本皮膚科学会では推奨度C 行ってもよいとされています*2。
カロヤンによる治療も効果が期待できないわけではないので行っても問題はありません。

ただ、もっと効果が期待できる治療法があるので、それらをまず検討するべきかもしれません。
カルプロニウム塩化物よりも、もっと効果が期待できる治療法としては、

推奨度Aのフィナステリドデュタステリドの飲み薬ミノキシジルの塗り薬
推奨度Bの自毛植毛術LEDおよび低出力レーザー照射アデノシンの塗り薬があります。

これらを行った上で、あまり効果がなかったり、さらなる治療を行いたいといった場合には、カルプロニウム塩化物の塗り薬を使っても良いでしょう。

参考 日本皮膚科学会 男性型脱毛症 治療法の推奨度
A.行うよう強く勧める
フィナステリドやデュタステリドの飲み薬、ミノキシジルの塗り薬
B.行うよう勧める
自毛植毛術、LEDおよび低出力レーザー照射、アデノシンの塗り薬
C1.行ってもよい
カルプロニウム塩化物の塗り薬、t-フラバノンの塗り薬、サイトプリンやペンタデカンの塗り薬、ケトコナゾールの塗り薬、かつらの着用、
C2.行わないほうがよい
ビマトプロスト、ラタノプロストの塗り薬、成長因子導入および細胞移植療法
D.行うべきではない
ミノキシジルの飲み薬、人工毛植毛術

カロヤンには生薬が含まれている?!

カロヤンの有効成分はカルプロニウム塩化物と先ほどご説明しました。カルプロニウム塩化物はフロジンアロビックスなどの薬にも有効成分として含まれています。

ではカロヤンとフロジン、アロビックスは何が違うのでしょうか?
それは生薬成分が入っているかどうかです!

第一三共ヘルスケアのホームページを見ると、カロヤンに含まれている成分が説明されています。 カロヤン プログレ EX Oの成分を見てみましょう。

カロヤン プログレ EX Oの成分
成分・作用
本剤は、黄褐色の液で、わずかに特異なにおいがあります。100mL中に次の成分を含有しています。

成分分量はたらき
カルプロニウム塩化物水和物2.18g結構を促進する働きがあり、発毛促進・抜け毛予防に効果があります。
チクセツニンジンチンキ3mL(原生薬として1g)毛根の毛乳頭細胞を活性化する働きがあり、発毛促進効果があります。
カシュウチンキ3mL

(原生薬として1g)
皮膚の脂質量を下げるはたらきがあり、抜毛の予防に効果があります。
ピリドキシン塩酸塩0.03g過剰な皮脂の分泌をおさえるはたらきがあり、抜毛の予防に効果があります。
ヒノキチオール0.05g殺菌作用があり、ふけ、かゆみに効果があります。
パントテニールエチルエーテル1g皮膚や頭髪の健康維持を助けます。
l-メントール0.3g爽快感を与えます。

注目して欲しいのが、チクセツニンジンカシュウチンキといった成分です。
これらは生薬の一種で、植物を切断、破砕、乾燥することで薬用にしたものです。

カロヤンはカルプロニウム塩化物だけでなく、チクセツニンジンが発毛促進、カシュウチンキが抜け毛予防効果を狙って含まれているのです!
チクセツニンジンやカシュウチンキといった生薬の育毛効果は動物実験で証明されています*3。

フロジンやアロビックスにはカルプロニウム塩化物以外に、発毛効果や抜け毛予防効果のある成分は含まれていません。その点がカロヤンとフロジン、アロビックスの違いといえるでしょう。

しかし先ほど説明した通り、チクセツニンジンやカシュウチンキといった生薬成分の育毛作用は動物実験で証明されているのみで、人体に対しての効果は十分に検証されているわけではありません

その他、カロヤンとフロジン、アロビックスの違いは有効成分カルプロニウム塩化物の濃度です。カロヤンは2%、フロジンは5%カルプロニウム塩化物が含まれています。
これらの濃度の差による効果の違いは十分に検討されていないので、現段階では詳しくはわかりません。

結局、カロヤンは効果があるの?

日本皮膚科学会によるとカルプロニウム塩化物は推奨度C(行ってもよい)というレベルに留まっています。これはまだ十分に効果が実証されていないことが大きな理由でしょう。

またカルプロニウム塩化物を用いると数%の患者で薬に対するアレルギー症状や発汗、嘔吐などの副作用があるそうです*4。十分に効果が検証されていない段階で、副作用の可能性もある薬を服用するのは少しリスクがあることではないかと考えます。

そのため、推奨度Aのフィナステリドやデュタステリドの飲み薬、ミノキシジルの塗り薬推奨度Bの自毛植毛術、LEDおよび低出力レーザー照射、アデノシンの塗り薬といった治療の効果が不十分だったり、何らかの理由で使えなかったりした場合に、カルプロニウム塩化物を服用するか考えていくべきと個人的には考えます。

オススメのAGA治療


ではAGAの方が最初にとるべき治療法は何か?!それはズバリ、フィナステリドとミノキシジルLED/低出力レーザーです!それらについて簡単に説明していきます。

フィナステリド

フィナステリドは簡単に言うと、男性ホルモンの働きを抑えてAGAを治療する薬です。

AGAは男性ホルモンの一つであるジヒドロステロン(DHT)が頭皮で働きすぎた結果、髪の成長が抑えられることが原因で起こります。

フィナステリドはジヒドロステロンが体の中でつくられるのを抑える働きがあります。フィナステリドを飲むことで、ジヒドロステロンの量が減り、髪の成長が正常化し、髪が生えてきます。

ミノキシジル

ミノキシジルはAGAの治療薬として、フィナステリドと並んでよく使われる薬の1つです。
リアップなどの塗るタイプの発毛剤に含まれています。

発毛効果を実感するには、1日2回、4か月以上使い続けることが必要です。使用し始めたばかりの時期に、一時的に抜け毛が見られることがありますが、ふつう2か月ほどでおさまります。

ミノキシジルがなぜ発毛に効果があるのか、はっきりとはわかっていません。
ミノキシジルは元々、血管を広げて、血圧を下げる薬として開発されました。血管を広げる作用で、血行が良くなり、毛が生えてくるのではないかと言われています。

これまで行われた多くの臨床試験で、ミノキシジルを頭皮に塗ると発毛が促進され、大きな副作用も少ないということがわかっています。そのためAGAの患者さんの多くにミノキシジルの塗り薬が使われているのです。

アデノシン

アデノシンとはDNAの構成材料にもなっているヌクレオシドという物質の一つです。

アデノシンのAGAに効くしくみはまだ明確にはわかっていません。
先ほど紹介したミノキシジルは血管を広げる作用がある薬ですが、そのしくみの中で、アデノシンという物質が関わっていて、アデノシンを塗ることでミノキシジルと同じような効果があるのではないかと言われています。

アデノシンの治療効果について、ある臨床試験では80%(51人中41人)が見た目で薄毛がかなり改善し、少し改善した人も含めると実に94.1%(51人中48人)の薄毛が改善しました
また、アデノシンには副作用がほとんど報告されていません。

しかしアデノシンの治療効果、副作用は十分に検証されていません。ただ日本皮膚科学会で推奨度Bとされているアデノシンはフィナステリドやミノキシジルに次ぐAGA治療といえるでしょう!

LEDおよび低出力レーザー

LEDおよび低出力レーザーとは、髪の毛が薄いところにレーザーを当て、発毛を狙う方法です。
LEDおよび低出力レーザーは日本皮膚科学会で推奨度B (行うよう勧める)とされている治療法です。

残念ながら、日本では承認されている器具はないのですが、ヘアマックスという器具はアメリカでFDAにより承認され販売されています。そのため、ヘアマックスを輸入して使えば、日本の方もLEDおよび低出力レーザーによる治療を行うことができます。

LEDおよび低出力レーザーは細胞の中のミトコンドリアという器官を活性化させ、 ATP(アデノシン3リン酸)という細胞の成長に必要不可欠な栄養分を作り出します。

頭皮にLEDおよび低出力レーザーを照射して大量のATPを作り出すことで、毛根の細胞(毛母細胞)を活性化させ、髪の毛が生えてくるのです!
LEDおよび低出力レーザーについては、世界でいくつかの臨床試験が行われています。そのうちの1つを紹介します。

・HairMax Laser- Comb laser phototherapy device in the treatment of male androgenetic alopecia: A randomized, double-blind, sham device-controlled, multicentre trial, Clin Drug Investig , 2009; 29: 283―292.

この臨床試験では110人の男性型脱毛症の被験者を、
①低出力レーザーで治療するグループ
②効果のないレーザーで治療するグループ(プラセボ)
に分けて治療したところ、①低出力レーザーで治療したグループに優れた発毛効果が見られたという結果が得られました。
②のグループでは当然、発毛効果はありませんでした。副作用は特に見られなかったとのことです!

自毛植毛術

自毛植毛術とは、自分の髪の毛を他のところからとってきて、それを薄い部分に移植するという方法です。

これはれっきとした手術の一つです。そのため、飲み薬や塗り薬に比べると少し敷居が高く感じられるかもしれません。

しかし自毛植毛術は国内、国外で、397,048件(2015年度)と数多く行われています*1。そのため、日本皮膚科学会でも推奨度B(行うよう勧める)という位置付けになっています*2。

自毛植毛術のメリット、デメリットは以下のようなものがあります。

(メリット) うまく定着すれば、短期間で治療が可能
(デメリット) 医師の技量によって効果が変わってくる、費用が高い、移植する毛の量に制限がある、移植した毛が定着するとは限らない、手術跡が残る

このようにいくつかのデメリットもあります。 そのため、日本皮膚科学会では、

(1)フィナステリドやデュタステリドの飲み薬やミノキシジルの塗り薬による効果が十分でない
(2)他に手段がない
(3)十分な経験と技術を持った医師が施術を行う

といった但し書きをした上で、自毛植毛術を推奨しています。

まとめ

いかがだったでしょうか?
カロヤンの有効成分はカルプロニウム塩化物。
カルプロニウム塩化物はまだ十分にAGAに対する治療効果が検証されているわけではないので、推奨度が高いフィナステリドやミノキシジル、LED/低出力レーザーといった治療を考えた上で、補助的に使っていくことが良いでのはないかと個人的には考えます。

もちろんカロヤンにはカルプロニウム塩化物以外にも色々な成分が含まれているので、より育毛効果がある可能性はあります。興味のある方はぜひお試しください!

【参考文献】
1)第一三共 ホームページ https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/brand/karoyan/ (2018年4月22日アクセス)
2) 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版
3)久保道徳ほか:天然物資源による外皮用薬の開 発研究(第1報),薬学雑誌108(10):971(1988)
4)カロヤン プログレ EX O 添付文書 https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/package_insert/pdf/karoyan_progre_ex_o_1.pdf (2018年4月22日アクセス)

Dr.ぎょっち医師 AGAドクター

投稿者プロフィール

2015年から都内のAGAクリニック勤務。
いままでに500人を超える患者の髪の悩みを解決してきた。科学的に効果のある薄毛治療法をもとに、薄毛・抜け毛予防を日々研究している。

自身のブログやメルマガで、「正しくわかりやすく」をモットーに薄毛・抜け毛の予防法を伝える活動を行なっている。

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