【医師監修】カロヤンアポジカの効果を徹底検証!

第一三共から販売されているカロヤンアポジカ。
AGAでお悩みの方で使われている方もいるのではないでしょうか?
しかし、このカロヤンアポジカの有効成分やその科学的根拠まで理解してお使いの方は少ないのでは?
AGA治療に関する研究は年々進歩しており、治療法の選択肢は多岐に渡ります。
もしかしたらもっと効果がある治療法があるかもしれません。
今回はカロヤンアポジカの有効成分やその有効性に関して、科学的にわかっていることを説明していきます!

第一三共の発毛剤カロヤン

カロヤンシリーズ

カロヤンは、第一三共ヘルスケアから販売されている発毛促進剤や薬用シャンプー・コンディショナー、育毛剤のブランドです1)。

カロヤンと名のついた製品のうち、発毛促進剤として売られているのは、カロヤン プログレシリーズ、NF カロヤンガッシュ、NF カロヤンアポジカ、カロヤンSなどです。これらはカロヤンの他の薬用シャンプー・コンディショナーや育毛剤と違って、第3類医薬品です。AGAでお困りの方が利用を検討するべきなのは、これらの発毛促進剤です。

カロヤンアポジカ

カロヤンアポジカの商品説明ページを見ると3つの特徴が挙げられています。

その1 血行促進作用のある主成分カルプロニウム塩化物を1%配合しています。
その2 カシュウチンキ(脂質除去作用)、チクセツニンジンチンキ(毛根刺激作用)の2つの生薬成分を配合しています。
その3 ヒノキチオール(殺菌作用)が頭皮のふけやかゆみを抑えます。

これらの科学的な根拠を一つずつ検証していきます!

有効成分はカルプロニウム塩化物!

商品説明ページにもある通り、カロヤンの発毛促進の主な有効成分はカルプロニウム塩化物というものです。カルプロニウム塩化物は日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版 では”推奨度C 行ってもよい”とされています2)。これは安全性には問題はないといえるが、有効性に関しては検証がまだ不十分ということです。つまり、もっと効果が期待できる治療法があるので、それらをまず優先的に検討していくべきなのです!

カロヤンよりも、その有効性が科学的に検証されている治療法としては、”推奨度A 行うよう強く勧める” とされているフィナステリドデュタステリドの飲み薬、ミノキシジルの塗り薬 ”推奨度B 行うよう勧める”とされている 自毛植毛術LEDおよび低出力レーザー照射アデノシンの塗り薬といったものがあります。これらの方法については後ほどご説明します。

より推奨度が高い方法を行った上であまり効果が見られなかった場合や、アレルギーなどでこのような治療が身体に合わないといった場合は推奨度Cとされているカルプロニウム塩化物の塗り薬といった方法を検討するべきでしょう。

参考 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版
 A.行うよう強く勧める
フィナステリドやデュタステリドの飲み薬、ミノキシジルの塗り薬
 B.行うよう勧める
 自毛植毛術、LEDおよび低出力レーザー照射、アデノシンの塗り薬
 C1.行ってもよい
 カルプロニウム塩化物の塗り薬、t-フラバノンの塗り薬、サイトプリンやペンタデカンの塗り薬、ケトコナゾールの塗り薬、かつらの着用、
 C2.行わないほうがよい
 ビマトプロスト、ラタノプロストの塗り薬、成長因子導入および細胞移植療法
 D.行うべきではない
 ミノキシジルの飲み薬、人工毛植毛術

カロヤンに含まれる生薬成分

カロヤンアポジカの特徴の2つ目に カシュウチンキ(脂質除去作用)、チクセツニンジンチンキ(毛根刺激作用)とあります。これらは生薬の一種で、植物を切り刻み、細かくして、乾燥することで薬用にしたものです。

これらの有効性は検証されているのでしょうか?

チクセツニンジンやカシュウチンキといった生薬の育毛効果は動物実験で証明されています3)が、人体に対しての効果は十分に検証されているわけではありません。そのため、これら生薬のAGA治療への効果に関しては疑問が残るところでしょう。

細菌の繁殖を抑えるヒノキチオール

ヒノキチオールは樹木から得られる精油の成分です。毒性が低く、抗菌活性や炎症を抑える効果をもち、防腐剤や化粧品に使われています。

カロヤンアポジカに含まれているヒノキチオールも抗菌活性を狙って配合されているようです。頭皮に細菌が繁殖するとふけやかゆみを起こす原因になります。AGA治療のためというよりかは、ふけやかゆみを抑えて頭皮環境を改善するために含まれているものだと思われます。

推奨されるAGA治療法とは?

フィナステリド

AGAは男性ホルモンの1つジヒドロステロン(DHT)が頭皮の細胞に過剰にはたらいた結果、髪の成長が抑えられることが原因と考えられています。フィナステリドは、ジヒドロステロンを作る5α-リダクターゼという酵素を阻害し、体内のジヒドロステロンの量を減らします。フィナステリドにより、髪の成長が正常化し、髪が生えてくるということです。

ミノキシジル

ミノキシジルはフィナステリドと並んで推奨度が高い治療法の一つです。リアップなどの塗るタイプの発毛剤の有効成分です。
 
ミノキシジルがなぜ発毛に効果があるのか、現段階でははっきりとはわかっていません。ミノキシジルは元々、血管を広げ、血圧を下げる薬として開発されました。血管を広げることで、頭皮の血行が良くなり、髪の毛の成長が促進されるのではないかとも言われています。

ミノキシジルはフィナステリドとはたらき方が違います。そのため、フィナステリドと併用することができます。フィナステリドの飲み薬とミノキシジルの塗り薬の併用が現在最も科学的根拠があるAGA治療法といえます!

アデノシン

アデノシンは生物の遺伝子DNAの元でもあるヌクレオシドという物質の一つです。

アデノシンは日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版では推奨度Bとされている治療法です。

アデノシンがなぜAGAに効くのかはまだはっきりとはわかっていません。しかしある臨床試験ではアデノシンを使った結果、80%(51人中41人)の方の薄毛が見た目上、かなり改善しました。改善の程度が軽度であった人も含めると実に94.1%(51人中48人)の方の薄毛が改善しました

日本皮膚科学会でも推奨度Bとされているので、アデノシンはフィナステリドやミノキシジルの次に検討すべき方法の一つでしょう。

LEDおよび低出力レーザー

LEDおよび低出力レーザーとは、髪の毛が薄い部分にレーザー光を当て、発毛を促進する方法です。LEDおよび低出力レーザーは日本皮膚科学会で推奨度B (行うよう勧める)とされている治療法です。

しかし、残念なことに、日本では承認されている器具はありません。ただ、アメリカではヘアマックスという製品が承認され、販売されています。日本にお住みの方で LEDおよび低出力レーザーを使いたい方は、インターネットでアメリカから輸入して購入することができます。

LEDおよび低出力レーザーがなぜ発毛に効果があるのかというと、レーザー光が細胞の中にあるミトコンドリアという器官を活性化し、 ATPという細胞の成長に必要な栄養を作り出します。これにより毛根の細胞が活性化して、髪の毛の成長が促進するのではないかと考えられています。

LEDおよび低出力レーザーは、世界中で臨床試験がいくつか行われています。そのうちの1つが以下の論文です。

HairMax Laser- Comb laser phototherapy device in the treatment of male androgenetic alopecia: A randomized, double-blind, sham device-controlled, multicentre trial, Clin Drug Investig , 2009; 29: 283―292.

この臨床試験では110人の男性型脱毛症の被験者を、
①低出力レーザーを照射するグループ
②発毛効果のないレーザーを照射するグループ
に分けて経過を観察しました。その結果、①低出力レーザーを照射したグループでは優れた発毛効果が見られました。②のグループでは、発毛効果は見られませんでした。また副作用は特に見られなかったとのことです!

まとめ

いかがだったでしたか?今回のポイントは3つです!

ポイント1 カロヤンアポジカの有効成分カルプロニウム塩化物に関しては、まだ十分にAGAに対する有効性が検証されているわけではないため、推奨度が高いフィナステリドやミノキシジルといった治療を考えた上で、補助的に使っていくことが良いでのはないかと考えられます。

ポイント2 生薬成分である カシュウチンキ、チクセツニンジンチンキに関しては人体でのAGA治療への有効性に関して科学的根拠は現段階では不十分です。

ポイント3 ヒノキチオールは直接的にAGA治療に効果があるわけではないが、頭皮で細菌が繁殖するのを防ぎ、頭皮環境を改善する効果があります。

もちろんカロヤンが体質に合えば発毛効果がある可能性がありますので、興味のある方は使ってみてください。
治療にあたっては医師と相談の上、ご自身に合った治療法を選択することをオススメします!

参考文献
1)第一三共 ホームページ https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/brand/karoyan/ (2018年8月29日アクセス)
2) 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版
3)久保道徳ほか:天然物資源による外皮用薬の開 発研究(第1報),薬学雑誌108(10):971(1988)

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