【医師監修】ノコギリヤシを絶対に使ってはいけない3つの理由!

最近、薄毛治療でのノコギリヤシの育毛効果が注目を集めていますね!
しかし、ノコギリヤシの育毛剤には、実は絶対使ってはいけない理由があるのです。
医師の立場から、ノコギリヤシはほんとうに効果があるのか?科学的に検証していきます。
では、いってみましょう!

ノコギリヤシとは?

ノコギリヤシの実から抽出される成分

ノコギリヤシはアメリカの一部に生えるヤシの一種で、その実から抽出される成分が育毛剤などに使われています。

Murugusundram, S. Serenoa Repens: Does it have any role in the management of androgenetic alopecia? J Cutan Aesthet Surg 2009; 2(1):31–2

成分の85-90%は脂肪酸、ステロールで、

カロチノイド
リパーゼ
タンニン
糖分
カプリル酸
パルミチン酸
オレイン酸
β-シトステロール

などを豊富に含んでいます。

前立腺肥大症治療薬として

これらの成分を含んだノコギリヤシエキスは以前より前立腺肥大症の治療に対して効果が研究されていましたが、前立腺肥大症に対する効果についてはかねてより議論があり、今でもその効果に一致した見解は得られていません

ノコギリヤシの育毛効果

フィナステリドと同じメカニズム

ノコギリヤシの育毛効果はフィナステリドと同じメカニズムだと言われています。
つまり5αリダクターゼを阻害することで、ジヒドロテストステロンの産生を抑えるということです。
これによってAGA(男性型脱毛症)の原因を解決できるのでは?と期待されています。

フィナステリド、ジヒドロテストステロンについてはこちらの記事も参考にしてみてください。


ノコギリヤシの育毛効果の信ぴょう性は高くない

上のような効果を期待されているんですが、
残念ながら、ノコギリヤシの育毛効果の信ぴょう性は高くないです。

いくつかの臨床試験が報告されています。
①10人のAGA男性のうち60%が改善した
A randomized double-blind placebo controlled trial to determine the effectiveness of botanically derived inhibitors of 5 alpha reductase in the treatment of androgenetic alopecia. J Altern Complent Med 2002;8:413-52.
②34人の男性、28人の女性で、髪の密度が35%改善、皮脂が67%減少した
Effectiveness of serenoa repens in androgenetic alopecia. JDDG, 6.2004 (Band 2) 552 abstracts, 4th intercontinental meeting of hair research societies, June 17-19, 2004.
③50人の男性で、髪の密度が改善した
Treatment of male androgenetic alopecia with topical products containing Serenoa repens extract.

このように、ノコギリヤシの育毛効果を主張する臨床試験はいくつかあるのですが、残念ながらこれらの科学的根拠(エビデンス)はあまり強くありません。
つまり、ノコギリヤシの育毛効果ははっきりとは証明されていないということです。

科学的根拠(エビデンス)が弱いとは?


え、実際に生えてるんでしょ?と思われるかもしれません。
実は、これは深い問題で、理解するにはエビデンスという考え方を知っておかなければいけません。
科学的根拠(エビデンス)については、こちらの記事がとてもわかりやすいです↓
朝日新聞デジタル「科学的根拠(エビデンス)」ってなんだろう?

ここでは、簡単に説明すると、
信ぴょう性の高い臨床試験というのは、
・被験者(参加人数)が多い
・プラセボ(偽薬)を用いている
・医者も被験者もプラセボか本当の薬かわからない(二重盲検法/double-blind)
・測定方法が客観的である
・薬以外の影響が少ない
・プラセボ群と実薬群での被験者のばらつきが抑えられている
などなど、たくさんの要素が必要になってきます。

つまり、客観性再現性普遍性があることが、臨床試験の信ぴょう性を高めるのです。

例えば小保方さんのSTAP細胞は客観性がなく、他の臨床試験で再現できず、普遍性がないことがわかったため、信ぴょう性が著しく低かったわけです。

そして、一連のノコギリヤシの臨床試験に関しては、これらの要素を満たしておらず、信ぴょう性が高くないのです。
これが、科学的根拠(エビデンス)があまり強くないということなのです。

フィナステリドとの比較

また、別の臨床試験では、
フィナステリド1mgの飲み薬を飲むグループと、ノコギリヤシ320mgの飲み薬を飲むグループに分かれ、効果を検証したところ、

フィナステリドのグループで68%、ノコギリヤシのグループで38%の人に薄毛の改善が見られたとのことです。
少なくともフィナステリドと比較して、ノコギリヤシの育毛効果は強くないということがわかると思います。

ノコギリヤシの副作用

ノコギリヤシの副作用はほとんどないようです。
飲み薬では、胃の不快感が報告されていますが、食後に内服することで改善するとおもわれます。

ただ、フィナステリドと同じように、血液検査でのPSA(前立腺マーカー)の値を50%ほど下げることがあるので、血液検査の際はPSA値が下がることを前提にして検査をしなければいけません。

まとめ


ノコギリヤシの育毛効果ははっきりと証明されていません。
育毛効果はあったとしてもあまり強くないということが言えると思います。
①副作用が少ない、②手に入りやすい、ことはいい点かもしれません。
しかし、AGAは進行性の脱毛症であり、放っておくとどんどん薄毛は進行してしまいます
「ダメでもともと。安くて手に入りやすいからまず試してみたら?」という意見もあるかと思いますが、ノコギリヤシを試している間にもどんどん薄毛は進行するのです。

であれば、始めから発毛がちゃんと証明された治療をした方がいいのではないでしょうか?
日本皮膚科学会のAGAガイドライン」でも推奨されているように、AGAに対して効果が科学的に認められているのは、フィナステリドミノキシジルLED/低出力レーザーなど数少ない治療だけです。
本気で髪を増やしたい方は今すぐこれらの治療を始めることをおすすめします。


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